中小企業新事業進出補助金を徹底攻略、経営コンサルタントが解説します

中小企業専門の経営相談所、エクト経営コンサルティングです。
2025年、補助金コンサルタントから大きな注目を集めていた、中小企業の挑戦を力強く後押しする大型の補助金制度が登場しました。
それこそが今回ご紹介する「中小企業新事業進出補助金」です。
この補助金は、コロナ禍で大きな役割を果たした「事業再構築補助金」の実質的な後継と位置づけられていますが、単なる後継ではなく、より前向きな新しい事業への挑戦を支援する目的が明確化されています。
「既存事業とは異なる事業への前向きな挑戦を支援し、企業規模の拡大や付加価値向上、生産性向上を図り、賃上げにつなげる」 ことが、この補助金の核心です。
本記事では中小企業新事業進出補助金について、公募要領の徹底解説から、専門家が語る事業計画書作成の秘訣、審査のポイント、さらには申請手続きや採択後の流れに至るまで、あらゆる情報を網羅した完全攻略ガイドをお届けします。
補助金を検討されている中小企業様なら、きっと読んでおいて損はない内容です。
目次
中小企業新事業進出補助金とは?~制度の目的と概要~

まずは、この補助金制度の根幹である目的と、具体的な概要を正確に把握しましょう。
制度の目的:中小企業の前向きな挑戦を後押し
本補助金の目的は、「中小企業等が行う、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくこと」と公募要領に明記されています。
事業再構築補助金がコロナ禍での売上減少など、ある種「守り」の側面も持っていたのに対し、新事業進出補助金は、より「攻め」の姿勢、つまり新しい市場や高付加価値な事業分野へ積極的に打って出る企業を支援するという点が強調されています。
単に売上が下がったから助けてほしいというスタンスではなく、これから売上を伸ばしたい、新しい市場に挑戦したい、人材に還元したいという前向きな経営姿勢が求められます。
補助対象者:あなたの会社は対象になるか?
日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者等が主な対象です。具体的には以下の通りです。
- 中小企業者: 資本金または常勤従業員数が、業種ごとに定められた基準以下の会社または個人。
- 製造業、建設業、運輸業: 資本金3億円以下 または 常勤従業員数300人以下
- 卸売業: 資本金1億円以下 または 常勤従業員数100人以下
- サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く): 資本金5,000万円以下 または 常勤従業員数100人以下
- 小売業: 資本金5,000万円以下 または 常勤従業員数50人以下
- その他、ゴム製品製造業、ソフトウェア業・情報処理サービス業、旅館業などにも個別の基準があります。
- 「中小企業者等」に含まれる中小企業者以外の法人: 企業組合、一般財団法人・社団法人(非営利型でなくても可)、農事組合法人、労働者協同組合など(従業員300人以下に限る)。
- 特定事業者の一部: 常勤従業員数が一定以下(例:製造業500人以下)で資本金10億円未満の会社等や、特定の組合(生活衛生同業組合、酒造組合等)も対象となり得ます。
- 対象リース会社: 中小企業がリースで機械装置等を導入する場合、一定条件下でリース会社との共同申請が認められます。
補助対象外となる事業者:申請前に必ず確認!
以下のいずれかに該当する場合、補助対象外となりますので、申請前に必ずご確認ください。主なものを抜粋します。
- 本補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金のいずれかの交付決定を受けて補助事業実施中の事業者、または申請締切日を起点に16ヶ月以内にこれらの補助金で採択された事業者(辞退した場合を除く)。
- 応募申請時点で従業員数が0名の事業者。賃上げが目的の一つであるため、従業員がいない場合は対象となりません。
- 新規設立・創業後1年に満たない事業者。最低1期分の決算書の提出が必要です。
- みなし大企業: 発行済株式の1/2以上を同一の大企業が所有している、役員の1/2以上を大企業の役職員が兼任しているなど、実質的に大企業の支配下にあると見なされる企業。
- 確定している直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者。
- 事業再構築補助金において採択の取消や交付決定の取消、補助金返還命令等を受けたにも関わらず未納付・未返還の事業者、または事業化状況報告が未提出の事業者。
- その他、公序良俗に反する事業を行う者、法令違反がある者、政治団体、宗教法人なども対象外です。
補助金額と補助率:最大9,000万円の大型支援
- 補助率: 一律 1/2
- 補助金額: 従業員規模に応じて変動し、下限750万円から。つまり、最低でも1,500万円以上の投資計画が必要となります。
- 従業員数20人以下: 750万円~2,500万円 (大幅賃上げ特例適用時: 上限3,000万円)
- 従業員数21人~50人: 750万円~4,000万円 (大幅賃上げ特例適用時: 上限5,000万円)
- 従業員数51人~100人: 750万円~5,500万円 (大幅賃上げ特例適用時: 上限7,000万円)
- 従業員数101人以上: 750万円~7,000万円 (大幅賃上げ特例適用時: 上限9,000万円)
この「大幅賃上げ特例」については、後ほど基本要件の章で詳しく解説します。
公募スケジュール(第1回公募)
第1回公募のスケジュールは以下の通りです。最新情報は必ず事務局ホームページでご確認ください。
- 公募開始: 令和7年4月22日(火) (令和7年=2025年)
- 申請受付開始: 令和7年6月頃(予定)
- 応募締切: 令和7年7月10日(木) 18:00厳守
- 採択発表: 令和7年10月頃(予定)
- 交付申請締切: 採択発表日から2ヶ月以内
- 補助事業実施期間: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月以内)
- 事前着手: 今回の補助金では、事前着手制度はありません。交付決定日より前に契約(発注)等を行った経費は補助対象外となりますので、くれぐれもご注意ください。
- 事業化状況報告等: 補助事業完了後、5年間必要です。
「新事業進出」の定義

この補助金の根幹をなすのが「新事業進出」の定義です。単に新しいことを始めるだけでは対象となりません。
事務局が発行する「新事業進出指針」及び「新事業進出指針の手引き」 に具体的な定義が示されており、これに合致することが絶対条件です。
この指針では、以下の3つの要件すべてを満たす事業計画を策定する必要があります。
製品等の新規性要件:「自社にとって新しい」製品・サービスか?
補助事業で新たに製造・提供する製品やサービス(以下、新製品等)が、申請する中小企業等にとって新しいものであることが求められます。
- 自社にとっての新規性: 世の中における新規性(日本初、世界初など)である必要はありません。あくまで、申請者が過去に製造・提供したことがない、という点がポイントです。
- 過去の実績: たとえ現在行っていなくても、過去に一度でも製造・提供したことがあるものは対象外です。
- 判断基準時点: 新規性は、原則として第1回公募の公募開始日(令和7年4月22日)以降に初めて取り組んでいる事業について認められます。
- 「事業化」の定義: 公募開始日時点で、新製品等の販売や提供に関する宣伝広告等を行っている場合は、すでに「事業化の第1段階以上」にあると見なされ、新規性要件を満たしません。ただし、事業計画の検討、専門家への相談、市場調査の実施などは「事業の開始」とは見なされません。
- 対象外となる例:
- 既存製品の製造量や提供量を単に増大させること。
- 過去に製造していた製品の再製造。
- 既存製品の製造方法を単に変更するだけで、性能が優位に異なると認められない場合。
- 評価が低くなる可能性のある例:
- 既存事業の技術等を活用して容易に製造・提供できるもの。
- 既存製品等に容易な改変を加えたものや、単に組み合わせただけのもの。 この補助金は、より大胆な新事業への進出を支援することを目的としています。
市場の新規性要件:「自社にとって新しい」顧客層か?
新製品等の属する市場が、申請する中小企業等にとって新たな市場であることが必要です。
- 新たな市場の定義: 既存事業において対象としていなかったニーズや属性(法人/個人、業種、行動特性など)を持つ顧客層を対象とする市場を指します。
- 顧客層の明確な違い: 既存事業の顧客層と、新事業でターゲットとする顧客層が明確に異なることを示す必要があります。例えば、これまでBtoB事業を行ってきた企業が、新たにBtoC市場向けの製品を開発・販売する場合などが該当します。
- 対象外となる例:
- 新製品等が既存製品の代替となる場合(例:アイスクリーム事業者が新たにバニラアイスクリームに特化する)。
- 既存事業の顧客層と同じ顧客層に対し、単に新しいメニューや製品ラインナップを追加する場合。
- 単に商圏が異なるだけで、ターゲットとする顧客層の属性やニーズが変わらない場合(例:A駅前で展開していた店舗をB駅前に出店する)。 既存顧客とは異なる、新たなニーズを持つ顧客層を開拓する取り組みが求められます。
新事業売上高要件:事業の柱となり得る規模か?
新事業が、将来的に会社の収益の柱の一つとなり得る規模であることが求められます。
- 売上高構成比: 事業計画期間の最終年度(通常3~5年後)において、新事業の売上高が、応募申請時の会社全体の総売上高の10%以上となる計画であること。
- 付加価値額構成比: または、新事業の付加価値額が、応募申請時の会社全体の総付加価値額の15%以上となる計画であること。
- 大企業の場合の特例: 応募申請時の直近の事業年度の売上高が10億円以上であり、かつ、新事業進出を行う事業部門の売上高が3億円以上である場合は、新事業の売上高または付加価値額が、当該事業部門の売上高の10%または付加価値額の15%以上となる計画でも可とされています。
- 最低条件としての10%: この10%(または15%)という数値はあくまで最低条件です。審査においては、この割合が大きいほど、つまり新事業が会社の将来においてより重要な位置を占める計画であるほど、高く評価される傾向にあります。コンサルタントからは、「実際には3割とか5割とか、もっと大きな割合を目指せるような大胆な取り組みの方が採択されやすい」との意見も聞かれます。
新事業進出を満たす具体例
具体例を以下にいくつか挙げておきます。公式ページが公開している「新事業進出指針」でも、要件を満たす具体例が示されています。
- 例1:食品製造業(食品 → 医療関連製品)
- 食品を製造していた事業者が、食品製造で培った技術を生かして、新たに医療関連製品の製造に着手する。
- 製品の新規性:新たに製造する医療関連製品を過去に製造したことがなければOK。
- 市場の新規性:医療関連製品と食品は業界が全く異なるためOK。
- 売上高要件:事業計画最終年度に医療関連製品の売上が総売上の10%以上となる計画を作成。
- 例2:情報サービス業(アプリ開発 → 地域商社型ECサイト運営)
- アプリやウェブサイトの開発を行っていた事業者が、既存事業でのノウハウを生かして、地域の特産物等を取り扱う地域商社型のECサイトの運営に取り組む。
- 製品の新規性:新たに提供する商社型ECサイトの実績が過去になければOK。
- 市場の新規性:新事業の顧客(自社商品をECサイトに掲載したい事業者)と既存顧客(アプリ・ウェブサイトを作りたい事業者)は明確に異なるためOK。
- 売上高要件:事業計画最終年度に新事業の売上が総売上の10%以上となる計画を作成。
- 例3:医療機器製造業 → ウイスキー製造業
- 医療機器製造の技術を生かして上流所を建設し、ウイスキー製造業に進出する。
- 例4:印刷業 → 食堂の内装工事業
- 販促物の印刷業者が、既存の顧客対応力を生かして食堂の内装工事業に進出する。
これらの例のように、既存事業で培った技術やノウハウを活かしつつも、明確に異なる製品・サービスを、異なる顧客層に提供し、かつ事業の柱となり得る規模を目指す取り組みが求められます。
「新市場性・高付加価値事業」の定義

新事業進出指針の3要件を満たすことは申請の最低条件ですが、実際に補助金に採択されるためには、事業計画が審査員に高く評価される必要があります。
その鍵となるのが、「新市場・高付加価値事業とは」という資料で示されている「新市場性(社会的な新規性)」と「高付加価値性」の考え方です。これらは申請要件とは別に、審査項目として評価されるポイントです。
審査の基本的な考え方:新市場性か、高付加価値性か
審査では、まず事業の「新市場性(社会的な新規性)」が評価されます。
- 新市場性(社会的な新規性)アリの場合: 補助対象事業として有力な候補となります。
- 新市場性(社会的な新規性)ナシの場合: 次に「高付加価値性」が評価されます。これが認められれば、同様に有力な候補となり得ます。
- 新市場性(社会的な新規性)も高付加価値性もナシの場合: 補助対象とはならない、または採択の可能性が著しく低くなります。
つまり、社会的に見て新しい分野への挑戦か、既存分野であっても高い付加価値を生み出す挑戦か、いずれかが求められるということです。
新市場性(社会的な新規性):世の中にとって新しいか?
ここでいう「新市場性」とは、申請要件であった「自社にとって新しい市場」とは異なり、取り組む事業のジャンル・分野が、社会一般的に見て普及度や認知度が低いものであることを指します。
- 客観的なデータ・統計等による裏付け: 社会における普及度や認知度が低いことを、客観的なデータや統計等を用いて示す必要があります。
- ジャンル・分野の適切な区分:
- この「ジャンル・分野」の特定が重要です。公募要領では、製品・サービスの性能、サイズ、素材、価格帯、地域性、業態、顧客層、効果といった要素を加えてジャンルを細分化し、意図的に「認知度が低い」と見せかけることは認められないとされています。
- 例えば、「高密度小型医療機器部品の製造」という事業内容は、「医療機器部品」というジャンルに属します。「高密度小型」という性能やサイズでジャンルを区切ることはできません。同様に、「無人店舗でのセルフネイルサロン経営」のジャンルは「ネイルサロン」であり、「無人店舗でのセルフ」という業態で区切ることはできません。
- 具体例: 一般的なラーメン屋を開業する場合、申請者にとっては新製品・新市場であっても、ラーメン屋というジャンルは社会的に広く普及・認知されているため、「新市場性(社会的な新規性)」は低いと判断されます。よほど特殊な事業でない限り、この「新市場性(社会的な新規性)」で高い評価を得るのは難しいかもしれません。
高付加価値性:既存市場で、より高い価値を提供できるか?
「新市場性(社会的な新規性)」が低いと判断された場合でも、次に「高付加価値性」が認められれば、採択の可能性は十分にあります。これは、同一ジャンル・分野の中で、自社の新製品・新サービスが、他と比較して高水準の付加価値や高価格化を図るものであることを意味します。
- 市場分析と比較:
- まず、参入するジャンル・分野における一般的な付加価値や相場価格を調査・分析する必要があります。
- その上で、自社の新製品・新サービスが、これらと比較して高水準の付加価値や価格設定であることを示します。
- 価値・強みの分析と妥当性:
- 単に価格を高く設定すれば良いというわけではありません。その高付加価値・高価格化の源泉となる、自社ならではの価値や強みを具体的に分析し、それが顧客に受け入れられる妥当性を説明する必要があります。
- 具体例:
- 建設事業者がオーダーメイド木製家具製造に進出: 既存事業の木材に関する知見を活かし、オーダーメイドという特徴を加えることで、他の木製家具にはない高付加価値(独自性、専門性)を提供する。
- 畳製造事業者が畳の複合施設(カフェ+畳作り体験)を開業: 既存事業の製品や技術を活かし、カフェ営業と「ものづくり体験」という体験価値を提供することで、他にはない高付加価値(独自性、体験)を生み出す。
このように、たとえ既存の市場であっても、自社の強みを活かして他社にはない高い価値を提供し、それが顧客に支持されることを具体的に示すことができれば、「高付加価値性」が認められ、審査で有利になります。
補助金をもらうために必要な7つのハードル

新事業進出指針の3要件と、審査における新市場性・高付加価値性の視点に加え、補助対象事業として認められるためには、公募要領に定められた7つの「基本要件」を3~5年の事業計画期間で達成する計画を策定し、実行する必要があります。
- 新事業進出要件: 前述(第2章)の「製品等の新規性」「市場の新規性」「新事業売上高」の3つの要件を満たすこと。
- 付加価値額要件: 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画であること。
- 賃上げ要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】: 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと。
- (ア) 一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上とすること(都道府県別の目標値は公募要領に記載。例:東京都2.8%、島根県4.0%など)。
- (イ) 給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上とすること。 この目標値は、応募申請時までに全ての従業員または従業員代表者に対して表明する必要があります。意図的に基準年度の給与を引き下げて目標達成を図ることは認められません。
- 事業場内最低賃金水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】: 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、毎年、事業所内最低賃金(補助事業を実施する事業所内で最も低い賃金)が、補助事業実施場所の都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること。
- ワークライフバランス要件: 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」(厚生労働省ウェブサイト)に公表していること。この公表手続きには1~2週間程度を要するため、早めの準備が必要です。
- 金融機関要件: 補助事業の実施にあたり金融機関等から資金提供を受ける場合は、その金融機関等から事業計画の確認を受けていること(「金融機関による確認書」の提出が必要)。自己資金のみで実施する場合は不要です。
- 賃上げ特例要件【大幅賃上げで補助上限額を引き上げる場合。要件未達の場合、補助金返還義務あり】: 補助上限額の引上げ(大幅賃上げ特例)の適用を受ける場合は、補助事業実施期間内に、以下の両方を満たすこと。
- (ア) 給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること。
- (イ) 事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること。
これらの要件、特に賃上げ関連の目標は、未達成の場合に補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があるため、慎重な計画策定と確実な実行が不可欠です。
慣れていないと難しい場合も多いので、補助金コンサルタントに相談するのもよいでしょう。
補助対象になる経費とならない経費

補助金の対象となる経費は明確に定められています。公募要領の24ページから30ページ に詳細な記載がありますので、必ず熟読してください。
必須となる経費
この補助金では、「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必ず補助対象経費に含まれている必要があります。一過性の支出が大半を占める計画は対象となりません。
主な補助対象経費の区分
以下に主な経費区分とポイントをまとめます。
- ① 機械装置・システム構築費: 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)、専用ソフトウェア・情報システム等の購入・製作・借用(リース・レンタル)に要する経費。
- 単価10万円(税抜)以上のもの。
- 中古品も、3者以上の古物商許可を持つ事業者からの相見積もり等、条件を満たせば対象。
- 既存設備の単なる置き換えは対象外。
- ② 建物費: 専ら補助事業のために使用される生産施設、加工施設、販売施設等の建設・改修に要する経費。
- 建物の単なる購入や賃貸は対象外。
- 建物の撤去費(①の経費計上が前提)、建物に付随する構築物の建設費も対象となり得る。
- ③ 運搬費: 購入する機械装置等以外の運搬料、宅配・郵送料等。
- ④ 技術導入費: 補助事業に必要な知的財産権等の導入に要する経費。
- ⑤ 知的財産権等関連経費: 本補助事業の成果に係る特許権等の取得に要する弁理士費用や翻訳料等。
- ⑥ 外注費(検査・加工・設計等に係るもの): 補助事業に必要な検査・加工・設計等の一部を外注する場合の経費。補助金額全体の10%が上限。
- ⑦ 専門家経費: 補助事業に必要な専門家(学識経験者、コンサルタント等)への謝金や旅費。上限100万円。謝金単価に規定あり。
- ⑧ クラウドサービス利用費: 専ら補助事業のために使用されるクラウドサービスやWEBプラットフォーム等の利用費。
- ⑨ 広告宣伝・販売促進費: 補助事業で製造・提供する製品・サービスに必要な広告(パンフレット、動画等)の作成、媒体掲載、PR用ウェブサイト構築、展示会出展等。事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜)の5%が上限。
見積もり取得のルール
契約(発注)先1件あたりの見積額の合計が50万円(税抜)以上になる場合は、原則として3者以上の同一条件による相見積もりを取得し、最低価格を提示した者を選定する必要があります。
補助対象外となる経費
以下の経費は補助対象となりません。これらが経費の大半を占める場合は不採択となる可能性もあるため、十分注意してください。
- 事務所等の家賃、保証金、敷金、水道光熱費
- フランチャイズ加盟料
- 電話・インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費は除く)
- 商品券等の金券
- 販売・レンタルする商品(原材料費含む)、試作品・サンプル品の購入費
- 文房具等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
- 不動産の購入費、株式の購入費
- 税務申告等のための税理士費用、訴訟等のための弁護士費用
- 収入印紙、振込手数料、公租公課(消費税等)
- 事業計画書・申請書・報告書等の書類作成・提出に係る費用
- 汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォン、デジタル複合機、カメラ、家具家電等)。ただし、補助事業に専ら使用され、必要不可欠であると明確に説明できる場合は、個別の判断となる可能性があります。
- 自動車等車両、船舶、航空機等の購入費・修理費・車検費用
- 中古市場で広く流通していない中古機械設備など価格設定の適正性が不明確なもの(3者以上の古物商からの相見積もり等がある場合を除く)
- 自社の従業員の人件費、旅費
- 再生可能エネルギーの発電設備(太陽光パネル等)で、FIT・FIPに関連して売電を行う場合
- 国などから既に補助を受けている経費(二重受給の禁止)
- 申請者と同一の代表者・役員が含まれる事業者、みなし同一事業者、資本関係がある事業者への支払い
対象経費の判断は複雑な場合もありますので、不明な点は事前に事務局に確認することをお勧めします。
審査員に好かれる事業計画書作成のポイント

補助金の採否を大きく左右するのが事業計画書です。公募要領の33ページから35ページ に記載内容の概要が示されています。
ここでは補助金コンサルタントの知見も交えて、審査員に響く計画書作成のポイントを深掘りします。
事業計画テンプレートと電子申請システムへの入力
事業計画の内容は、公開されている「事業計画テンプレート」を参考に準備し、最終的には電子申請システムに直接入力する必要があります。これは、従来のPDF添付方式とは異なり、各項目をシステム上で入力していく形式となる可能性が高く、相応の時間を要すると考えられます。
事業計画書の主要項目と記載ポイント
公募要領に示された記載項目に沿って、どのような情報を盛り込むべきか、具体的に見ていきましょう。
(1) 既存事業の内容 自社の概要、現在の事業内容を網羅的かつ具体的に記載します。これにより、新たに取り組む事業の「新規性」が際立ち、また既存事業の強みを新事業にどう活かすか(差別化、高付加価値化)というストーリー展開がしやすくなります。
(2) 補助事業の具体的取組内容
- ① 新事業進出指針への該当性:
- 製品等の新規性: 既存製品等と新製品等の内容、およびそれらの相違点を具体的に説明します。写真や図表も活用しましょう。
- 市場の新規性: 既存市場(顧客)と新市場(顧客)の内容、およびそれらの相違点を具体的に説明します。
- ② 新規事業の内容・目的: 補助事業で何に取り組み、何を目指すのかを明確に記述します。
(3) 連携体の必要性(連携体申請の場合のみ) 代表申請者および各連携体構成員の役割と、なぜその連携が必要不可欠なのかを具体的に説明します。
(4) 現状分析 現在の事業状況を説明し、SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を実施した上で、そこから導き出される新規事業実施の必要性を論理的に説明します。
(5) 新規事業の新市場性・高付加価値性(①と②は選択制) 第3章で解説した「新市場性(社会的な新規性)」または「高付加価値性」について、該当する方(あるいは両方)を選択し、客観的なデータや統計等を示しながら具体的に説明します。
- ① 新市場性: 新製品等の属するジャンル・分野を特定し、そのジャンル・分野の社会における一般的な普及度や認知度が低いことを裏付けデータと共に説明します。
- ② 高付加価値性: 新製品等のジャンル・分野における一般的な付加価値や相場価格を調査・分析し、それと比較して自社の新製品等が高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであることを、その源泉となる自社の価値・強みの分析と共に説明します。
(6) 新規事業の有望度
- ① 新規事業の将来性: 取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲で、継続的に売上・利益を確保できるだけの市場規模を有しているか、また成長が見込まれる市場であるかを説明します。
- ② 参入可能性: 免許・許認可の取得見込み、技術的課題の克服など、自社にとって参入可能な事業であることを説明します。
- ③ 競合分析: 代替製品・サービスを含め、競合を網羅的に調査・分析します。その上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して自社に明確な優位性を確立できる差別化戦略を具体的に示します。他者に容易に模倣されない優位性(例:導入する機械そのものではなく、独自のノウハウや技術)であることが重要です。
(7) 事業の実現可能性
- ① 課題及びスケジュール: 事業化に向けた中長期的な課題を洗い出し、その解決方法、および事業化に至るまでの具体的な遂行方法と詳細なスケジュール(設備投資の時期、技術導入の時期、専門家助言の時期など)を記載します。
- ② 事業実施体制: 新規事業を遂行するための社内体制(人材、事務処理能力等)や、必要な資金の調達方法(自己資金、融資等)について具体的に説明します。
(8) 公的補助の必要性
- 国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないことを説明する必要があります。投資規模が大きい、リスクが高いなど、なぜこの補助金が必要なのかを明確にします。
- 任意記載項目として、①川上・川下への経済波及効果が大きい事業、社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由、②先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業である場合は、その旨を理由とともに記載すると評価が高まる可能性があります。
(9) 政策面(任意記載) 「10. 審査項目 (6)政策面」に記載されている事項(地域未来牽引企業など)に該当する場合は、理由とともにその旨を記載します。
(10) 補助対象予定経費 補助対象とする予定のすべての経費について、経費の分類、名称、取得予定価格等を具体的に記載します。単価500万円(税抜)以上の機械装置については、機械の種類が具体的に分かる名称(型番等)も必要です。そして、それぞれの経費が補助事業を実施する上でなぜ必要不可欠なのか、その理由を具体的に説明します。
(11) 収益計画
- ① 補助事業の事業化見込み: 詳細な収益計画表(売上高、原価、経費、利益等)を作成し、目標となる事業化の時期、売上規模、量産化時の製品等の価格等を記載します。
- ② 補助対象要件への該当性: 作成した収益計画が、「新事業売上高要件」「付加価値額要件」「賃上げ要件」「事業場内最賃水準要件」「賃上げ特例要件(該当する場合)」をどのように満たすのか、具体的な算出根拠とそれらを達成するための取組を詳細に記載します。
- ③ 大規模な賃上げ計画の妥当性(賃上げ特例の適用を希望する場合のみ): 補助事業実施期間内だけでなく、補助事業終了後も含めた継続的な賃上げの見込み、必要な原資、具体的な取組内容を明確にし、実現可能性を説明します。
写真・図表等を効果的に活用し、特に既存事業と新規事業の相違点を分かりやすく説明することが推奨されています。
審査項目と加点・減点要素

事業計画書は、公募要領の42ページから46ページ に記載されている審査項目に基づいて評価されます。これらの項目を意識して計画を練ることが採択への近道です。
書面審査の主な評価ポイント
(1) 補助対象事業としての適格性 公募要領に記載の補助対象者、補助対象事業の要件等を満たしているか。付加価値額要件や賃上げ要件で、基準値を上回る高い目標値を設定している場合、その高さと実現可能性が評価されます。
(2) 新規事業の新市場性・高付加価値性(選択制) 第3章で詳述した内容です。社会的に見て新規性(一般的な普及度や認知度が低い)があるか、または既存分野でも高い付加価値・高価格化を図るものであるかが評価されます。
(3) 新規事業の有望度 継続的な売上・利益を確保できる市場規模があるか、成長が見込まれる市場か。免許・許認可等の参入障壁をクリアできるか。競合分析を踏まえ、顧客ニーズに基づいた明確な優位性・差別化が可能か。
(4) 事業の実現可能性 中長期的な課題を検証できているか、遂行方法・スケジュール・課題解決方法が明確かつ妥当か。財務状況は健全か、金融機関等からの資金調達は見込めるか。事業遂行可能な体制(人材、事務処理能力)があるか。
(5) 公的補助の必要性 国が補助する積極的な理由(経済波及効果、雇用創出等)があるか。費用対効果(補助金投入額に対する付加価値額の増加規模、生産性向上等)が高いか。先端技術活用等でイノベーションに貢献し得るか。国からの補助がなくとも容易に実施できるものではないか。
(6) 政策面 日本経済の構造転換に資するか。先端デジタル技術活用等で経済成長・イノベーションを牽引し得るか。ニッチ分野でグローバル市場でのトップを目指せる潜在性があるか。地域経済への貢献や大規模雇用の創出が期待できるか(地域未来牽引企業等は考慮)。
(7) 大規模な賃上げ計画の妥当性(賃上げ特例適用希望の場合) 具体的で妥当な賃上げ計画か。一時的でなく継続的なものか。
加点項目:審査を有利に進めるために
以下の項目を満たす事業者は、審査で一定程度の加点が実施されます。応募締切日時点で満たしている必要がある点に注意してください。
- ① パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
- ② くるみん認定(次世代法に基づく子育てサポート企業認定)を受けている事業者
- ③ えるぼし認定(女性活躍推進法に基づく認定)を受けている事業者
- ④ アトツギ甲子園のピッチ大会に出場した事業者
- ⑤ 健康経営優良法人2025に認定されている事業者
- ⑥ 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
- ⑦ 成長加速化マッチングサービスに会員登録し、挑戦課題を登録している事業者
- ⑧ 再生事業者(中小企業活性化協議会等から再生計画等の支援を受けている等)
- ⑨ 特定事業者(公募要領「2.補助対象者(3)特定事業者の一部」に該当)
これらの加点項目は、事前に準備できるものが多いため、積極的に取得を目指しましょう。
減点項目:避けるべき落とし穴
以下の場合は減点対象となるため注意が必要です。
- ① 過去の補助金での賃上げ加点要件未達: 中小企業庁所管の補助金(ものづくり補助金、IT導入補助金等)で賃上げ加点を受けて採択されたにも関わらず、要件を達成できなかった場合、未達報告から18ヶ月間、本補助金申請時に大幅減点(正当な理由が認められない限り)。
- ② 過剰投資の抑制: 特定の期間に類似テーマ・設備等に関する申請が集中した場合、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるとして別途審査され、大幅減点される可能性。
- ③ 他の補助事業の事業化が進展していない: 過去に新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金を受給している場合、当該補助事業の直近の事業化状況報告における事業化段階が3段階以下(継続的な販売実績がない等)の場合は減点。
口頭審査:準備と心構え
書面審査で一定基準を満たした事業者は、必要に応じて口頭審査が行われます。全員が対象となるわけではありません。
- 対象者: 書面審査で一定基準を満たした事業者の中から必要に応じて実施。
- 方法: オンライン(Zoom等)で実施。1事業者15分程度。
- 対応者: 申請事業者自身(法人代表者等、勤務実態のある担当者)1名のみ。コンサルタント等の同席は一切不可。
- 審査内容: 事業の的確性、優位性、実現可能性、継続可能性等について、審査員からの質問に答える形式。
- 注意点: 安定したインターネット環境、カメラ・マイク(イヤフォン・ヘッドセット不可)、顔写真付き身分証明書を準備。審査内容は他言無用。
口頭審査の連絡が来たということは、書面審査を一定レベルでクリアしている証左でもあります。自信を持って臨みましょう。
申請手続きと採択後の流れ

補助金獲得のためには、適切な手続きとスケジュール管理が不可欠です。
申請前の準備
- GビズIDプライムアカウントの取得: 電子申請に必須です。未取得の場合、発行に1週間程度かかるため、早めに手続きを行いましょう。
- 一般事業主行動計画の策定・公表: 本補助金の申請要件です。「両立支援のひろば」への掲載に1~2週間程度かかるため、これも早期に着手が必要です。
申請手続き
- 申請方法: 電子申請システムでのみ受け付けられます。
- 事業計画の内容入力: 事業計画の内容は、システムに直接入力する必要があります。事前に「事業計画テンプレート」(後日公開予定)で準備を進めておくとスムーズです。
- 添付書類: 公募要領49~51ページ に定められた書類を、指定されたファイル名で添付します。主なものは以下の通りです。
- 決算書(直近2年分)
- 従業員数を示す書類(労働者名簿の写し)
- 収益事業を行っていることを説明する書類(法人税申告書別表一、法人事業概況説明書等)
- 固定資産台帳(既存設備の置き換えでないことの確認用)
- 賃上げ計画の表明書
- 金融機関から資金提供を受ける場合:金融機関による確認書
- リース会社と共同申請する場合:リース料軽減計算書、リース取引に係る宣誓書
- 再生事業者加点を希望する場合:再生事業者であることを証明する書類
採択後の流れ
- 採択通知・公表: 採択・不採択の結果が事務局から通知されます。採択案件は商号や補助事業計画名等が公表されます。
- 交付申請: 採択発表日から原則2ヶ月以内に、改めて補助金の交付申請を行う必要があります。この段階で経費内容が精査され、補助金額が申請額から減額される場合や、全額対象外となる場合もあります。
- 交付決定: 交付申請の内容が認められると、正式に交付決定となります。これ以前に契約・発注した経費は対象外です。
- 補助事業実施: 交付決定日から14ヶ月以内(または採択発表日から16ヶ月以内)に、事業計画に沿って事業を実施します。
- 実績報告: 事業完了日から30日以内、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに、補助事業実績報告書を提出します。原則として事務局による実地検査が行われます。
- 補助金額の確定・支払い: 実績報告と検査を経て補助金額が確定し、その後、補助金が支払われます。
- 事業化状況報告等: 補助事業を完了した年度の終了後を初回とし、以降5年間、毎年、事業化状況や知的財産権等について報告する義務があります。賃上げ要件等の目標未達の場合、補助金の返還を求められることがあります。
このように申請時だけでなく、補助金をもらった後の実績報告についても、書類作成等に手間がかかる場合があります。
補助金コンサルタントに依頼すれば、こういった業務についても代行してくれるので検討してみてください。ただし申請だけをフォローする補助金コンサルタントも多いので、どこまで代行してくれるかは事前に確認しておきましょう。
事業再構築補助金との比較と注意点

新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継と目されていますが、いくつかの違いと、本補助金ならではの注意点があります。
事業再構築補助金との主な違い
- 制度趣旨: 事業再構築補助金は、コロナ禍の影響を受けた事業者の業態転換や事業再編を支援する意味合いが強く、売上減少要件などが存在しました。一方、新事業進出補助金は、コロナ禍を経た「次なるステージ」として、より前向きな新規事業への挑戦、企業規模の拡大、生産性向上、そして賃上げを明確に志向しています。
- 要件の細部: 「新事業進出の定義」における売上高要件の計算基礎など、細かな点で要件が異なります。また、賃上げ要件やワークライフバランス要件などがより具体的に、かつ厳格に設定されている印象です。
- 従業員数0名の扱い: 新事業進出補助金では、申請時点で従業員が0名の事業者は対象外と明記されました。
- 創業1年未満の扱い: 同様に、創業1年未満の事業者も対象外です。
本補助金申請における特に重要な注意点
- 事前着手の不可: 交付決定前の経費は一切対象になりません。スケジュール管理が極めて重要です。
- 賃上げ要件の厳格さ: 目標未達の場合の補助金返還義務が明記されており、計画の実現可能性と確実な実行が求められます。
- 「新事業進出指針」の徹底理解: 本補助金の中核をなす定義であり、ここへの合致が大前提です。
- 「新市場性・高付加価値事業」の意識: 審査で高評価を得るためには、この視点での事業の磨き込みが不可欠です。
- 一般事業主行動計画の事前準備: 申請要件であり、未対応の場合は申請自体ができません。公表まで時間を要するため、早期の対応が必要です。
- 複数の事業計画: 同一事業者による1回の公募での申請は1件に限られますが、複数の新事業を計画している場合、1つの事業計画書に複数の計画内容を記載して申請することは可能です。
- 再申請: 過去の公募回で不採択となった事業者は、事業計画を見直した上で再申請が可能です。また、一定条件を満たせば、既に本補助金で採択・交付決定を受けている事業者も2回目の申請が可能な場合があります(詳細は今後の公募要領で示される見込み)。
- 外部支援者の活用: 事業計画作成支援者(コンサルタント等)の助言は問題ありませんが、計画書は必ず申請者自身が作成する必要があります。作成自体を他者が行うことは認められず、発覚時は不採択・採択取消となります。不適切な高額報酬を請求する悪質業者にも注意が必要です。
事業再構築補助金を受給した事業者の申請について
過去に事業再構築補助金で採択・交付決定を受けた事業者も、原則として新事業進出補助金に申請可能です。ただし、以下の点に留意が必要です。
- 申請締切日を起点に16ヶ月以内に事業再構築補助金で採択されていないこと、または申請締切日時点で同補助金の補助事業実施中でないことが条件です。
- 事業再構築補助金で始めた事業の事業化状況が進展していない(継続的な販売実績がない等)場合は、本補助金の審査で減点対象となります。
申請の強力な味方となる補助金コンサルタント

今まで見てきたとおり、中小企業新事業進出補助金は、新たな成長を目指す中小企業にとってまたとない機会を提供する支援制度です。
しかしその恩恵を受けるためには、公募要領を隅々まで読み込み、制度の趣旨を深く理解し、そして何よりも説得力と実現可能性に満ちた質の高い事業計画を策定することが不可欠。
そこで検討したいのが、補助金申請を専門とする補助金コンサルタントの存在です。
最近は補助金全体の申請レベルが上がっている他、ただでさえ社内のリソースが不足している企業様では、自社だけで取り組むにはなかなかハードルが高いのではないかと思います。
エクト経営コンサルティングでは、様々なジャンルの補助金コンサルタントと提携し、貴社に最適な専門家をご紹介できるのが特徴。
補助金申請に必要な業務を、企業様のご要望に合わせて柔軟にお手伝いできます。
さらに補助金だけでなく、経営コンサルタントの国家資格を所有した、様々な分野のプロフェッショナルが連携することにより、幅広い分野のご相談に対応することが可能。中小企業様でも無理なく検討できるリーズナブルな料金体系にて、皆様の経営を強力にサポートしています。
契約の前に、最適な専門家とのお試し無料相談あり。契約後においても、コンサルタントの成果にご満足いただけなければ、3ヶ月以内であれば初期費用を全額返金いたします。
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