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中小企業の人事・採用の課題と解決策

中小企業の人事の課題は「採用・育成・評価・離職防止」の 4 つに集約されますが、これらの問題が複雑に絡み合っています。評価の基準が曖昧だから納得感が生まれず、納得できない人から辞めていき、欠員を埋めるために採用に追われる。人が採れないという入口の症状でも、まず評価と定着の側を数字で確かめてください。連鎖の起点を直さなければ、採用の手法を変えても同じことが繰り返されます。

人事・採用に関するソリューション一覧

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人事の相談は、なぜ「採用」から始まるのか

人事の課題は、時間軸で 入口(採る)・育成(伸ばす)・定着(辞めさせない)・評価(報いる) の4層に整理できます。

相談として最初に持ち込まれるのは、ほとんどが入口=「人が採れない」です。目の前で欠員が出ている以上、それは自然なことです。しかし話を伺っていくと、真因が定着や評価の層にあるケースが少なくありません。辞める理由が残ったまま採用の手法だけを変えても、同じことが繰り返されるためです。

自社の症状がどの層から来ているのかを見極めることが、費用対効果を大きく左右します。

実際にあった例では、「Web集客がうまくいかない」というご相談の根本原因が、現場の人員不足と対応フローにあったケースがあります。採用要件を定義し直して現場体制を整えたところ、集客の質と現場対応力が噛み合い、全社の売上拡大につながりました。逆に、業績悪化で債務超過に陥っていた会社では、総合診断のうえで「採用による人員確保」を突破口に定め、組織の立て直しから翌年度の黒字化に至った例もあります。

入口に見える症状と、手をつけるべき層は必ずしも一致しません。

人事・採用の主な課題

採用・求人活動 — 応募が集まらない原因は、多くの場合、予算ではない

求人広告を出しても応募が集まらない、採用できても早期に辞めてしまう。この悪循環の原因は予算不足ではなく、「どんな人に来てほしいか」が定まっていないことにあります。要件が曖昧なまま募集すれば条件で比較され、規模で勝る企業に流れます。妥協して採用した人材は、入社後のギャップから早期離職に至ります。手法を変える前に、事業方針から人材要件を言語化することが先です。実際に、媒体選びに迷走していた宿泊・飲食業(従業員約15名)では、自社の強みと人材要件を定義し直した結果、求人広告費をかけずに人材を獲得し、新規出店にまで至りました。

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評価制度・人事制度設計 — 昇給の根拠を、社員に説明できているか

給与水準は他社と変わらないのに人が辞める。その理由は待遇ではなく、評価の根拠が本人に見えていないことにあります。基準が曖昧なまま経営者の感覚で昇給を決めていると、社員は自分がどう見られているのかを知る手段がありません。納得できない優秀な人材から先に離れていきます。制度は作ることより、現場で使われ続ける設計になっているかが成否を分けます。評価制度が存在しなかった化粧品小売業(従業員40名)では、等級制度基準と評価シートを新たに導入した結果、社員アンケートで納得感が向上し、管理職から「部下育成の会話がしやすくなった」という変化が生まれました。

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離職防止・定着率向上 — 辞める理由は、辞めるときには聞けない

退職の申し出を受けてから理由を尋ねても、本当の理由が語られることはほとんどありません。定着率の課題は、離職が起きてから対処するものではなく、評価・育成・職場の関係性という日常の設計に組み込むものです。特定の部署や特定の上司のもとで離職が続いている場合、個人の資質ではなく構造に原因があります。まず「どこで、いつ、誰が辞めているか」を数字で把握することから始まります。なお、職員が単独で動く業務が中心の訪問看護業(従業員25名)では、公平な評価が難しいという業種特有の事情がありましたが、職種別・等級別の行動評価制度を設計することで評価の透明性が高まり、職員の納得度が改善しました。

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人材育成・社員研修 — 研修をやっても現場が変わらない理由

研修を実施しても現場の行動が変わらないのは、学ぶ内容と評価される基準がつながっていないためです。研修で推奨された行動が評価に反映されなければ、社員は元のやり方に戻ります。育成は単発の研修ではなく、評価制度・面談・日常の指導と連動して初めて機能します。何を教えるかより、教えたことが報われる仕組みがあるかを先に確認する必要があります。

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労務管理・就業規則整備 — 就業規則は、作った後に使われているか

就業規則を整備したまま何年も見直していない企業は少なくありません。しかし法改正や働き方の変化に対して規則が追いついていないと、いざトラブルが起きたときに会社を守る機能を果たしません。また規則があっても運用が伴わなければ、実態と乖離した文書が残るだけです。労務管理は法令遵守の問題であると同時に、社員に対する会社の姿勢を示すものでもあります。

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組織風土・社内コミュニケーション — 制度では届かない領域がある

評価制度や研修を整えても組織が変わらない場合、原因が風土やコミュニケーションにあることがあります。意見を言っても通らない、部署間で情報が共有されない、経営者の意図が現場に伝わっていない——こうした状態は制度の不備ではなく、日常のやりとりの積み重ねから生まれます。制度と風土は別々のものではなく、制度の運用のしかたが風土をつくります。

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実際の支援事例

人事・採用の課題に、実際にどう手をつけたのか。中小企業診断士が支援した事例をご紹介します(掲載の許諾範囲で、業種・規模のみ記載しています)。

宿泊・飲食サービス業/従業員約15名/期間 約2ヶ月

「どの媒体が良いか」の迷走を止め、自社の強みの再定義から入った

課題

求人媒体の選定に迷い、採用の方向性そのものを見失っていました。

打ち手

媒体選びをいったん脇に置き、自社の強みと「来てほしい人材」の要件を言語化し直しました。

結果:求人広告費をかけずに人材を獲得し、新規出店を実現。

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小売業(中古車販売)/従業員約60名/期間 約2ヶ月

Web集客の相談だったが、根本原因は人員体制にあった

課題

Web広告の効果が上がらず集客に悩んでいましたが、実際には現場の人員不足と対応フローに原因がありました。

打ち手

採用要件を再定義し、現場の体制を強化しました。

結果:集客の質と現場対応力が噛み合い、全社の売上拡大に直結。

この事例の詳細を見る(採用前設計)

運輸業(タクシー)/従業員約20名/期間 約3ヶ月

債務超過の危機を、採用と組織再構築で突破した

課題

業績悪化から債務超過に陥り、組織が崩壊しかねない状況でした。

打ち手

総合診断を行い「採用による人員確保」を突破口に設定。人材要件を経営者とすり合わせました。

結果:組織の立て直しが奏功し、翌年度の黒字化を達成。

この事例の詳細を見る(採用前設計)

化粧品小売業(東京都/従業員40名/年商30億円規模)/期間 約6ヶ月

評価基準がなく離職リスクが高い状態から、納得感のある制度へ

課題

等級・評価制度が存在せず、評価への納得感がないまま優秀な人材が流出するリスクを抱えていました。

打ち手

経営者ヒアリングと従業員アンケートを経て、等級制度基準・業績評価シート・行動評価シートを新規導入しました。

結果:社員アンケートで「評価への納得感」が向上。管理職からは「部下育成の会話がしやすくなった」との声。

この事例の詳細を見る(人事評価制度)

訪問看護業(福島県/従業員25名/年商5億円規模)/期間 約3〜4ヶ月

「単独訪問で公平な評価は難しい」に向き合った制度設計

課題

職員が単独で訪問する業務が主体のため評価の公平性を担保しにくく、昇給の根拠づけが困難でした。

打ち手

職種別・等級別の行動評価制度と報酬基準を策定しました。

結果:評価の透明性が向上し、職員の納得度が改善。「自分たちが大切にしている価値観を体現する評価制度を設計できた」との声。

この事例の詳細を見る(人事評価制度)

外資系(韓国系)化粧品メーカー 日本法人

インセンティブ偏重から、戦略と連動した人事制度へ

課題

シンプルなインセンティブ評価が中心で、KPIに基づく自律型の組織文化と、経営戦略に連動した人事制度の構築が課題でした。

打ち手

会社ビジョン・組織像・人事制度の3層構造で整合性を取る設計方針を策定しました。

結果:「客観的・体系的に人事課題と改善策を整理できた」と評価。現状把握から制度設計フェーズへ前進中。

この事例の詳細を見る(外資系人事)

お客様の声

「客観的・体系的に人事課題と改善策を整理いただき、人事制度設計に向けた方向性が明確になりました。」

— 外資系メーカー 日本法人 経営者

「部下育成の会話が、しやすくなりました。評価への納得感も高まったと感じています。」

— 化粧品小売業 管理職/社員アンケートより

「自分たちが大切にしている価値観を、体現する評価制度を設計できました。導入もスムーズでした。」

— 訪問看護業 経営者

よくある質問

人事制度は、何人くらいの規模から必要ですか?

明確な人数の基準はありませんが、経営者が全社員の働きぶりを直接把握できなくなった時点が一つの目安です。おおむね20〜30名を超えたあたりで、評価を経営者の記憶と感覚に頼ることが難しくなります。ただし人数より、「昇給の根拠を説明できているか」で判断するほうが実態に合います。

社会保険労務士と、経営コンサルタントの違いは何ですか?

社会保険労務士は労務手続きと法令遵守の専門家であり、就業規則の作成や社会保険の実務を担います。一方、経営コンサルタント(中小企業診断士)は、事業の方針から逆算して「どんな人材が必要か」「どう評価し報いるか」を設計します。役割が異なるため、多くの場合は両者を併用することになります。

制度を作っても、現場で使われないのではないかと不安です。

実際に最も多い失敗がこれです。原因は、制度の設計時に現場の声が反映されていないこと、そして運用の負担が考慮されていないことにあります。評価シートが複雑すぎて管理職が形式的に埋めるだけになれば、制度は機能しません。設計段階から運用の現実性を織り込むことが不可欠です。

何から手をつければよいか分かりません。

自社の症状が「採る・育てる・辞めさせない・評価する」のどの層から来ているのかを見極めることから始まります。人が採れないという入口の症状でも、真因が定着や評価にある場合、採用手法を変えても改善しません。実際に、Web集客の相談から現場の人員体制に真因が見つかった事例もあります。まず現状を整理するところからご相談いただけます。

人事の課題を相談すると、費用はどのくらいかかりますか?

内容によりますが、スポットで現状を診断するものは5万円程度から、等級・評価・報酬の設計まで伴走する場合は月額9万円程度からが目安です。多くのソリューションが初回無料相談を設けているため、まず現状の整理から始めることもできます。

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