小さい会社こそ、コンサルタントを入れて経営改善すべき理由

中小企業専門の経営相談所、エクト経営コンサルティングの塩島です。
- 「うちみたいな小さな会社が、コンサルタントを入れるべきなのか」
- 「コンサルタントは、ウチの会社にどんなことをしてくれるのか」
- 「正直なところ、コンサルタントは本当に効果があるのか不安」
このように考えている経営者様は多いのではないでしょうか。
私はこれまで200社以上の中小企業を支援してきましたが、その経験から確信していることがあります。
それは規模が小さい会社ほど、外部のコンサルタントを活用する効果が大きいということ。
コンサルタントというと、ある程度規模の大きな企業が使うというイメージがあるかもしれませんが、実は小規模な企業にこそ強力な助っ人になるのです。
AIからは得られない話もたくさん詰め込んでおりますので、コンサルタントを入れようか迷っている経営者様は、ぜひ一度ご覧になってください。
小さい会社はコンサルタントによる伸びしろが大きい
小さな会社が経営改善に取り組む際は、コンサルタントを活用することで大きな効果が得られます。
たとえ規模が小さくても、特定の分野で素晴らしい技術やサービスを持っている会社はたくさんあります。
その一方で、自社が得意としていない分野の知識・ノウハウや、お金、人手、情報といった経営資源については、かなり不足しているというのが実情。
このような状態では、どこかの時点で成長が伸び悩んだり、経営危機に陥る可能性が高くなります。
だからこそ外部のコンサルタントの力でリソース不足を補うことで、自社だけでは取り組めなかった課題を克服し、劇的な改善を実現することができるのです。
経営資源が不足しているからこそ、コンサルタントが役に立つ

近年は社会の変化が激しく、経営で求められることも明らかに増えています。
大きな会社であれば、営業部・人事部・経理部といった具合に専門分野の人材を揃えて分業できますが、小さな会社で同じことをやるのは現実的じゃないですよね。
それどころか、社長があらゆる業務を全部一人でやっているケースもよく見かけます。
そのような状態では、当然ながら情報収集のための時間は限られますし、経営で求められる幅広いノウハウを十分に獲得するのは不可能です。
国が発行する2026年版の小規模企業白書の統計データでは、外部の情報を十分に集められていない理由として、圧倒的に多かったのが「時間や人手が足りないから」という回答でした。
外部の情報を十分に集められていない理由(小規模事業者・複数回答)

- 時間や人手が足りない:58.9%
- 情報収集の方法が分からない:32.0%
- 情報の信頼性や正確性に不安がある:14.6%
- 費用が掛かる:12.9%
出典:中小企業庁「2026年版 小規模企業白書」第2-1-60図。
私の支援経験からしても、やるべきことはわかっている一方で、「やりたくてもできない」という状況の経営者様は非常に多い印象です。
とはいえ業績が良いうちは、弱点がいろいろあっても大きな問題にならなかったりするのですが、本当に大変なのはピンチに陥った場合。
無理に自分たちで何とかしようとしても、ノウハウが無いため最適な対策ができないどころか、傷口をより広げてしまうケースも見受けられます。
まさにそのような時こそ、自社で不足しているスキルを持ったコンサルタントの力を借りれば、最善の形で経営危機に対応できます。
もちろん、平常時からコンサルタントを活用しておくことで、そもそもピンチになる前にリスクを回避できる可能性が高まりますし、今までできなかったことができるようになります。
自社の苦手な分野、人手不足で手が回らない部分について、外部のコンサルタントに任せて克服すれば、事業の新たな可能性も広がるでしょう。
ネックとなるのがコンサル費用ですが、月数万円から利用できるサービスという選択肢もあります。
つまり経営資源が不足している小さな会社だからこそ、コンサルタントが役に立つ場面が増えるし、経営改善に与えるインパクトも大きくなるのです。
小規模だからこそ、コンサルティングの成果が得られやすい

一般的には、従業員の数が少ない会社ほど意思決定が早いという特徴があります。
なぜなら大きな会社の場合は、経営層、従業員、ステークホルダーといった関係者の思惑が交錯し、稟議や調整で何か月もかかりがち。
それに比べて小さな会社は、経営者様もしくは担当者様のご意向次第で、全社一丸となってすぐに動くことができます。
コンサルタントとしても、提案から決断までの時間を待たずに着手できれば、結果として早期に成果を得られやすくなります。
もしかしたら、従業員が言うことを聞かないからスムーズに動けない、というお悩みを抱えている企業様もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は従業員様と直接コミュニケーションをとるようコンサルタントに依頼し、課題解決のための旗振り役になってもらうなんてことも可能。
また何かと社長に向けられる矛先を、うまく「コンサルタントのせい」にしていただくことで、結果的に会社全体がうまく回るようになる、なんてケースもあります。
実際に私のクライアントからは、このような役割をすごく感謝されることもあったりするのです。
このように現状の課題に合わせて、迅速に柔軟な対応ができるという点も、小さな会社でコンサルティングの成果が得られやすい一因です。
小さい会社のためのコンサルタント活用法
コンサルタントが大きな会社だけのものではなく、小さな会社にも有用であり、むしろ費用対効果が大きいことがお分かりいただけたと思います。
ここからは実際にどのようなことを依頼でき、小規模企業にどのように役に立つかという点を解説していきます。
例えばこんなことをコンサルタントに依頼できます

私自身とコンサル仲間の支援事例から、実際のサポート内容をピックアップしてみました。
これらの内容は一例であり、企業様の状況やご要望に応じて、他にも様々なサポート内容が考えられます。
社長ご自身が苦手な分野や、自社だけではどうしても難しい経営課題は、コンサルタントを便利な「お助けサービス」として活用するとよいでしょう。
| 領域 | 具体的にお手伝いできること |
|---|---|
| 数字の見える化 | 経営の数字を可視化して、今後どのようにしていくべきかを判断する |
| 売上拡大の実行支援 | 売上を伸ばすための施策を提案し、その実行まで手伝う |
| 利益率の向上 | 利益の残らない要因を分析し、収益性の向上を実現する |
| 新規事業のスタート | 市場が縮小する既存事業から、新しい事業を考えて伴走支援する |
| WEB集客の代行 | 自社が苦手としているインターネットでの集客を代行する |
| 価格転嫁の支援 | 原価計算や市場分析から根拠資料を作り、値上げ交渉をサポートする |
| 資金繰り・資金調達 | 資金繰りが厳しい場合に、資金調達や改善策をサポートする |
| 経営全般の相談相手 | 困った時に頼れる経営全般の相談相手になる |
小さい会社には、大きな会社を上回るポテンシャルが眠っている

2020年版の中小企業白書によると、小規模企業の上位10%の労働生産性は、大企業の中央値を上回っているそうです。
労働生産性とは、簡単に言うと従業員一人当たりが生み出す価値のこと。
つまり一部の小さな会社は、多くの大企業よりも効率的な経営ができているということになります。
もちろん生産性が経営のすべてではないのですが、「小さな会社が大企業を上回ることができる」という事実が、国の統計から導き出されているのです。
この上位10%の小規模企業について、他との具体的な違いは記載されていませんでした。
しかし私自身がこれまで支援してきた実感では、その差は商品やサービスの品質ではないと思っています。
というのも、たとえ素晴らしい商品やサービスを持っていたとしても、「それを活かすために必要なこと」のうち何かが足りないことで、経営がうまくいっていないというパターンが多いのです。
- 「良い商品なのに顧客に知られていない」
- 「せっかくのサービスを活かせる仕組みがない」
- 「貴重な技術なのに買い叩かれている」
これらは一例ですが、まさに「ポテンシャルを眠らせている」という状態だと思います。
そして根本的な原因は、小さな会社ゆえにリソースやノウハウが不足しているためであり、ポテンシャルを引き出すための施策に手が回らず、社内だけでは「どうしようもない」状況になっていると考えられるのです。
社内で無理なら、外部の力を借りるしか無い

自社の課題を本当に解決したい、ポテンシャルを最大限に引き出したいと考えているなら、コンサルタントの力を借りた方がよいでしょう。
冷静に考えて、社内に解決のリソースもノウハウも足りないのであれば、自社だけでの対応はもはや難しいはず。
それでも「自分たちで何とかしよう」と抱え込んでしまうと、いつまでも改善しないまま時間だけが過ぎていき、本来なら得られたはずの売上や利益を失い続けることになってしまいます。
国もこのような点を、小規模企業の課題として挙げています。
中小企業庁が発行する2026年版の小規模企業白書では、「小規模事業者の経営リテラシー向上」というテーマが記載されていました。
要約すると、財務や組織といった基礎知識(経営リテラシー)を高める必要があるものの、小規模事業者が単独でやるのは難しいため、商工会・商工会議所などの支援機関や、企業間連携の活用が重要であると書かれています。
私の支援先でも、「勉強したいんだけど時間がなくて…」と仰る経営者様は本当に多いです。
できない部分は専門分野のコンサルタントに依頼し、自社は本来の業務に集中するという形で分担することができれば、根本的な改善につながる可能性が最も高いのではないでしょうか。
小さい会社がコンサルタントから得られる効果

コンサルタントの成果として公表されている詳細なデータは、残念ながら非常に少ないのが実情です。
たとえ成功事例であっても、コンサル会社が支援先の具体的な数字を公表するには、クライアントに許可を得るのが難しいためと考えられます。
そこで国の公開データから、公的支援機関のコンサルタントを活用した会社が得られた効果について、比較・分析した統計をいくつかご紹介します。
専門家派遣を受けた会社は実際に伸びていた
各地の公的機関には、「専門家」「経営指導員」「アドバイザー」などの名目で、コンサルタントを派遣する経営支援制度があります。
ここでご紹介するのは、日本の中小企業支援の総本山とも言える中小企業基盤整備機構(中小機構)の事例。
それによると、中小機構が専門家を派遣した企業においては、派遣開始から2年後の売上高または付加価値額の伸び率について、平均で+10.2%という成果が得られたそうです(令和7年度)。
前年度は+12.9%であり、2年連続で国が定めた目標水準を上回ったことになります。
専門家派遣を受けた企業の、派遣開始から2年後の売上高または付加価値額の伸び率(平均)
| 年度 | 伸び率(平均) | 国が定めた目標水準 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | +10.2% | +6.5% | 上回った |
| 令和6年度 | +12.9% | +12.5% | 上回った |
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出典:中小企業基盤整備機構「令和7事業年度 事業報告書」「令和6事業年度 事業報告書」。
このような公的機関の専門家派遣制度では、支援内容を「アドバイスのみ」としていることが多く、コンサルタントが実際に作業を代行することは、一部の制度を除いてほぼできません。
アドバイスだけにもかかわらず、平均でしっかり10%以上伸びているという事実は、かなり大きな効果と言えるのではないでしょうか。
相談した会社と、相談しなかった会社の違い
2026年版の小規模企業白書には、支援機関の活用に関する効果がはっきりと現れています。
経営計画を策定した小規模事業者のうち、策定するときに支援機関へ相談した会社では、「ほとんど効果が得られなかった」と答えた割合が6.8%だったのに対し、相談しなかった会社では24.0%と、実に3.5倍もの差が発生しました。
また「想定を超える効果」「想定した効果」が得られたという回答の割合にも、明確な差が現れています。
経営計画の策定が業績向上にもたらした効果(策定時に支援機関へ相談したかどうか別)
| 経営計画策定が業績向上にもたらした効果 | 相談した(n=1,452) | 相談していない(n=471) |
|---|---|---|
| 想定を超える効果が得られた | 5.9% | 3.6% |
| 想定した効果が得られた | 40.8% | 29.1% |
| 想定には及ばなかったが効果は得られた | 46.6% | 43.3% |
| ほとんど効果が得られなかった | 6.8% | 24.0% |
| 「ほとんど効果なし」の比 | 24.0% ÷ 6.8% ≒ 3.5倍 | |
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出典:中小企業庁「2026年版 小規模企業白書」第2-1-56図(原資料:令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査)
経営計画をつくること自体、会社にプラスの効果を与えることが知られています。
そういった中でも、支援機関に計画策定を相談した会社の方が、より大きな効果が得られたということです。
なおここでいう「支援機関」には、商工会・商工会議所、よろず支援拠点、税理士、金融機関、中小企業診断士が含まれており、民間のコンサルティング会社に限った話ではない、という点を補足しておきます。
コンサルタントと経営計画を作成する効果は大きい
経営計画の作成による経営改善効果に関しては、他にも興味深いレポートがいくつかあります。
以下は経済産業省が所管する独立行政法人「経済産業研究所(RIETI)」が、小規模事業者持続化補助金という国の補助金について、申請後の経営状況を分析したものです(2021年)。
小規模事業者持続化補助金の「申請」と「受給」が、その後の経営に与えた効果
| 比べたもの | その後の一人当たり売上高への効果 |
|---|---|
| 補助金を申請した事業者 vs 申請しなかった事業者 | およそ6%高い(統計的に意味のある差) |
| 補助金を受け取った事業者 vs 受け取らなかった事業者 | 意味のある差は確認されず |
出典:経済産業研究所(RIETI)ディスカッション・ペーパー 21-E-039(2021年)。2013年度に実施された補助事業の分析。「およそ6%」は同論文の推定値を百分率に換算した概数。
実はこの補助金を申請する条件として、商工会・商工会議所の経営指導員の支援を受けながら、経営計画を作ることが要件になっています。
レポートによると、補助金を「受け取った」事業者は、売上や生産性が高まったという効果が確認されませんでした。
一方で補助金を「申請した」事業者は、申請しなかった事業者と比べて、その後の一人当たり売上高がおよそ6%高くなっていたそうです。
同研究所の分析によると、補助金による金銭的なサポートよりも、申請の過程で外部の助言を受けつつ計画を作ったこと自体が、経営改善の機会につながったのではないかとしています。
また2016年版の小規模企業白書によると、経営計画を作成した小規模事業者のうち、34.0%が直近の売上高を「増加」と答えたのに対し、作成したことがない事業者では20.2%に留まったそうです。
海外の中小企業も、コンサルタントで成果が得られている
補足になりますが、海外の中小企業でもコンサルタントが有効というデータをご紹介します。
インドの工場を対象にした実験では、経営コンサルティングを受けた工場は初年度の生産性が17%高くなったほか、メキシコの中小企業432社を対象にした実験では、コンサルティングを受けた会社の5年後の雇用者数が57%多くなっていたそうです。
経営資源の限られた企業に対して、外部の専門家を入れた会社の方が経営改善できるという傾向は、世界でも共通する事象のようです。
小さい会社には経営相談の相手がいない

実は小さな会社ほど、経営を相談できる相手がいない傾向にあります。
民間のコンサル会社はもちろん、支援機関の経営相談も利用したことがない、という経営者様も多いのが実情です。
経営に関しての悩みを、日常的に相談できる相手がいない
2020年版の小規模企業白書によると、従業員規模が大きくなるほど、日常的な相談相手を持っている事業者は多くなる傾向にあります。
一方で従業員を雇っていない事業者の4~5割が、「相談する相手がいない」と答えています。
従業員を雇っていない事業者のうち、日常の相談相手が「いない」割合

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3-2-51図。割合は白書本文の「約5割」「約4割」に基づく概数です。
また相談相手がいない事業者にその理由を聞くと、約7割が「適切な相談相手とのつながりがないから」と答えており、重要な経営課題を相談できていない理由も、同じく「つながりがない」が約半数を占めています。
「適切な相談相手とのつながりがないから」と答えた割合

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3-2-61図・第3-2-29図。割合は白書本文の「約7割」「約半数」に基づく概数です。
つまり相談したくないのではなく、純粋に「相談相手がいない」のが実情なのです。
私も実際の支援現場で、「誰に相談したらいいかわからなかった」という声をたびたび耳にすることがあり、小規模企業に対する支援者の必要性を痛感しています。
税理士・会計士に頼りっきりになっている
興味深いデータとして、中小企業は規模にかかわらず税理士・会計士への依存傾向が強いようです。
会社を経営していると、何らかの形で税理士との付き合いがあることは多いので、唯一の相談相手になってしまいがちなのかもしれません。
日常の経営の相談相手として、回答が多かった順(上位5つ・複数回答)
| 順位 | 小規模事業者 | 中規模企業 |
|---|---|---|
| 1位 | 税理士・公認会計士 61.0% | 税理士・公認会計士 63.4% |
| 2位 | 同業種の経営者仲間(取引先を除く) 47.7% | 経営陣、従業員 52.1% |
| 3位 | 経営陣、従業員 32.4% | 同業種の経営者仲間(取引先を除く) 48.7% |
| 4位 | 異業種の経営者仲間(取引先を除く) 31.6% | 金融機関 46.1% |
| 5位 | 金融機関 31.5% | 異業種の経営者仲間(取引先を除く) 38.4% |
※スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3-2-52図(原資料:野村総合研究所「中小企業の経営課題と公的支援ニーズに関するアンケート」。小規模事業者 n=1,681・中規模企業 n=1,558・複数回答のため合計は100%になりません)
税理士さんは財務や会計といった部分で頼りになる存在ですが、基本的には税務の専門家という位置づけで、経営のことを一通り勉強するような資格制度ではありません。
そのため売上・利益をどう伸ばすか、人をどう育てるか、どのようにピンチを乗り越えるかといった内容は、別の専門分野のコンサルタントに意見を求める必要があります。
適切な相談相手がいないことで、機会損失が発生しているなら非常にもったいないことです。
経営課題を放置することで発生する問題

財務、人事、マーケティング、業務効率化、AI導入と、やらなきゃいけないことは山積み。
会社によって経営課題は様々ですが、何にしても外部の力を借りるという発想を持つことで、経営改善の可能性が一気に高くなります。
しかし「いつかやろう」と放置してしまうと、例えば以下で挙げるような問題が発生し、将来的に大きな代償を払うことになりかねません。
問題①:経営が不安定になる
多くの支援現場で耳にする共通課題として、「数字が見えていない」というのがあります。
2026年版の小規模企業白書によると、商品やサービスごとにかかるコストを把握している小規模事業者は、わずか46.3%しかいません。
つまり「何が儲かっていて何が儲かっていないか」を、半数以上の会社が把握できていないという事実ですが、このような会社では以下のような問際が想定されます。
- 黒字だと思っていたのになぜか赤字
- 売上は上がっても利益が残らない
- 仕事が忙しいのにお金が減っていく
これらは「経営を数字で把握する」という課題を、放置してしまったことで発生しているのです。
当然ながら経営は不安定になりますし、何より「ピンチが近づいていることに気づけない」というのも恐ろしいところだと思います。
問題②:チャンスを逃してしまう
「やりたいんだけど、今はそれどころじゃなくて…」
そのお気持ち、すごくよく分かります。
小さな会社ほど日々の業務に追われてしまうもので、新しいことに取り組む時間はなかなか作れず、どうしても攻めの打ち手は後回しになりがちです。
とはいえ「時間ができたらやろう」と思っている間にも、市場や競合は動き続けています。
もし今の時点で仕込みができていれば、その準備が実を結んで、1年後には大きな売上になっているかもしれません。
しかしやるかやらないかを決められない状態が続き、結局手をつけられないままであれば、せっかくの機会もいつの間にか失われてしまうでしょう。
もちろん、新しい取り組みのすべてに飛びつく必要はありません。
ただ時間もノウハウも足りないことで、結局チャンスを逃してしまうという状況は、非常にもったいないことだと思います。
問題③:時間とお金を無駄にする
経営課題の解決を放置していると、「無駄」が発生することも大きな問題です。
- 業務効率化しないことで業務時間が無駄になる
- マーケティング戦略が不十分なことで広告費が無駄になる
- 人がすぐ辞めることで採用費が無駄になる
これらはあくまで一例であり、他にも様々な無駄が想定されますが、いずれにしても対策が取れていれば回避できたことも多いはずです。
そして見過ごせなくなった頃、社内だけでなんとか解決しようとするのがまた落とし穴。
もともと時間やノウハウが無いことで、やむを得ず放置していた問題ですから、いざ自分たちで対策しようとしてもうまくいかず、別のことを試してまた失敗…といった手探りの運営になりがちなのです。
時にはそういう経験も必要かもしれませんが、経営という観点で見れば非効率であり、小さな会社の貴重な時間とお金を浪費してしまいます。
解決したい課題があるなら、早めに外部のプロに相談した方がダメージは小さく済みます。
しかしさんざん苦労した末に、最終的にどうにもならなくなってから外部に相談し、結果的に多くのコストがかかるという、もったいないパターンが多く見受けられるのが実情です。
【実例】コンサルタントによる小さな会社の経営改善事例
この章でご紹介しているのは、私自身の支援経験からご紹介する実際の事例です。
民間でのコンサルティングに加えて、支援機関の専門家としても活動してきた中で、具体的な経営改善事例の一部をお伝えしたいと思います。
飲食店のWEB集客支援事例

東京都内の飲食店様の事例です。
このお店はお酒も料理も美味しく、一度常連になったお客様は足繁く通っていただけるため、支援前から一定の安定した売上はありました。
しかし利益は十分とは言えず、さらに収益を向上させていくために、新規のお客様をどうやって集客するかが大きな経営課題でした。
私がコンサルに入って調査すると、近隣が飲食店の激戦区でありながら、競合他社はインターネット施策にあまり力を入れていないことが判明。
そこでWEB広告の運用を提案したところ、社長様に「やる」と即決していただき、諸々の準備を急ピッチで進めることになったのです。
WEB系の施策を苦手としている企業様は多いのですが、こちらのお店も同様であったため、設計から運用まで一気通貫で私にお任せいただきました。
最初はなかなか効果が出なかったものの、半年ほどで「勝ちパターン」を見つけ出したことにより、そこから明確にインターネット経由のお客様が増えてきます。
結果として、このお店ではインターネットからの新規顧客が大幅に増加し、現在ではWEB施策が欠かせない集客手段の一つとなりました。
小さな会社の強みの一つに、社長がやると決めたらすぐに実行できるという点があります。
今回はまさにその即効性が活きた事例で、私もコンサルタントとして支援をスムーズに進められました。
さらにこのお店に無かった「WEB集客」という観点を、私が専門分野として持ち合わせていたことで、まさに「自社に無かったノウハウ」を外部から得られた好事例だと思います。
老舗企業のデータ活用支援事例

私が担当させていただく事業者様は、創業から長い歴史を持っている会社も多いのですが、本件も古くから営業されてきた老舗企業の事例です。
当初のご相談内容は、小売店舗の売上が減少傾向にあることから、ECサイトをリニューアルすることでカバーしたいというご意向でした。
既存のECサイトはあまり更新されておらず、同社にとってほとんど新規事業と言えるような状況です。
ECサイトによって本業の売上を補完したいというお話は、小規模な会社様でかなり多く寄せられるご相談ではあるものの、実際の支援に入って私がご提案したのは、まず在庫管理とデータ分析の改善でした。
というのも、同社では大量の商品を扱っていたため、できるだけデータ化して実店舗との連携体制を整えなくては、ECサイトの運営自体が危ぶまれるからです。
そこで在庫連携とデータ分析の仕組みづくりをご案内し、その後は一緒に売れ筋商品や購買傾向を把握。
店頭の売れ筋商品をECサイトに出す、季節商品は早めに在庫を確保する、逆にECサイトのアクセス傾向からトレンドを把握するなど、次々と改善の手が打たれていきました。
結果として、ECサイトの売上がリニューアル前の倍以上に達しただけでなく、実店舗の売上も大きく上向き、目に見える成果を得ることができたのです。
なおこの事例は、公的機関の派遣専門家として担当した案件であるため、作業を代行することがルール上禁止されており、私自身はアドバイスのみに徹していました。
それでも支援当初と比べて、結果的に生まれ変わったような成長を遂げることができたのは、外部からコンサルタントが入ったことが大きなきっかけになったものと考えられます。
数字の見える化による経営改善事例

こちらは卸・小売業で、年商は数億円、従業員10名ほどの企業様の事例となります。
ご相談の概要としては、前期に大幅な赤字を計上してしまい、外部環境の変化にも不安を感じている中で、古い経営のやり方を変えたいというご意向でした。
初回訪問で私がお話を伺ったところ、月次の試算表がなく、いくつかある部門ごとの損益も不明とのこと。
会計処理の状況としては、ご家族がアナログな形で帳簿を入力しており、伝票は手書き、商品ごとの原価表も存在せず、数値面の管理は決して十分とは言えませんでした。
そこでまず業務フロー全般を見直していただき、税理士から月次の損益データを出してもらう仕組みを構築。
次に部門別に発生するコストを伺った上で、変動費と固定費に分けて損益構造を一覧化し、部門ごとの実績が翌月には把握できるように整えました。
結果として、儲かっている部門とそうでない部分を数字で把握することができ、どのようなアクションをとるべきかが明確になりました。
そしてこのような改革の効果もありつつ、何より社長様が経営改善に奮闘されたことで、同社では翌期にすぐ黒字化を実現。
金融機関への提出書類として、今後3年間の経営計画も私が作成させていただいたのですが、来期以降はさらに大幅な成長が見込める内容となりました。
一見すると「バラ色」のようにも見えますが、決して机上の空論ではなく、現状をしっかりとシミュレーションした確度の高い予測であったため、金融機関の担当者様にもしっかりとご納得いただくことができています。
「月次の数字なんて把握してない」という小さな会社は、決して珍しくありません。
しかし外部コンサルタントを活用して、数値を把握するための土台を整えることにより、その後の判断が全部数字でできるようになります。
そして数値やデータで判断することができれば、本事例のように経営全般の改善につながる可能性を秘めており、これもまさに小さな会社の伸びしろと言えるのです。
【小規模白書事例】原価計算による経営改善事例
私の事例だけではなく、「小規模企業白書」にも興味深い事例が載っていますのでご紹介します。
こちらは2026年版小規模企業白書に掲載された、愛知県の生産用機械器具製造業の事例です。
社長様は地元の商工会議所で原価計算を学び、実際に自社の製品別の原価を出したところ、なんと約7割の製品が赤字で受注していたことが判明したのです。
中には20年近く価格を変えていない製品や、受注価格が適正価格の4分の1という製品まであったのだとか。
これをきっかけとして、同社では価格交渉とコスト削減に取り組んだ結果、無事に赤字から黒字に転換することができたそうです。
このように数字が見えることで判断が変わり、判断が変わることで会社が変わるという事例は、先ほどご紹介した私の支援事例とも共通する部分が多いと言えます。
そして同様のことが、他の多くの小さな会社にも当てはまるのではないかと思っています。
小さい会社がコンサルタントを選ぶときの注意点
ここまで読んで、コンサルタントに相談してみようかと思われた経営者様もいらっしゃると思います。
実際にコンサルタントを選ぶにあたって、貴重な時間とお金を無駄にしないために、最低限知っておいていただきたい注意点をまとめました。
公的機関の無料相談窓口も選択肢に入れること

国や自治体をはじめとした公的機関では、無料で経営相談できる窓口が用意されているところがあります。
かくいう私自身も、各地の商工会議所や振興公社といった支援機関で、中小企業の経営相談に対応する専門家として活動している一人です。
これらの支援機関は、小規模企業の強い味方として知られています。
例えば都道府県ごとに設置された「よろず支援拠点」では、令和6年度の相談対応件数が延べ70万件以上にのぼり、相談者の約6割は従業員5人以下の事業者となっています。
もし自社に悩み事があり、まずはアドバイスだけが欲しいということであれば、こういった無料相談だけでも十分に役立つでしょう。
先ほどの事例でもお伝えしたとおり、公的機関の無料相談をきっかけに経営改善につながった会社も多いので、ぜひ積極的に活用してみてください。
ただしルール上、実際の業務を手伝うことはできない場合がほとんどで、支援内容や回数に制約があることも多いのが実情です。
基本的にアドバイスが中心であり、改善策の実行は自社で手を動かさなくてはなりません。
そのため何らかの作業を依頼したい場合や、業務の一部を任せたい場合、柔軟なサポートを求めているといった状況では、どうしても民間のコンサルティング会社などを使う必要が出てきます。
自社の予算に合ったコンサルタントを選ぶこと

コンサルタントを活用する最大のデメリットが費用の部分です。
大手のコンサルティング会社であれば、月に100万円を超える契約も普通ですし、そうでなくても月に数十万円といった費用感も一般的で、小さな会社では難しい場合も多いのが実情です。
というのも、世の中のコンサルティング会社の多くは、一定以上の規模のある会社をお客様として想定していて、小規模な会社をそもそも対象にしていないからです。
一方で数は少ないながら、小さな会社を想定したサービス内容と、月額数万円からの料金体系を用意しているコンサルティング会社も存在します。
そのため事実上の選択肢としては、そのような小規模向けコンサルティング会社を選ぶか、前述の公的機関による無料相談を選ぶしかありません。
とはいえ数万円というコストでも、小さな会社にとっては決して軽くないはず。
なので契約の前に、自社の状況を理解して支援してくれる相手かどうかは、慎重に見極めていただきたいと思います。
料金の相場については別の記事で詳しくまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。
信頼できるコンサルタントを選ぶこと

コンサルタントという肩書きは誰でも名乗ることができてしまうこともあり、世の中には数え切れないほどのコンサルタントが存在します。
そして正直なところ、怪しい自称コンサルタントも少なくありません。
名刺やホームページには、架空の実績をいくらでも書けてしまいますし、中には詐欺まがいの話を持ちかける輩もいますので、相談する相手はしっかりと検討していただきたいと思います。
では、怪しいコンサルタントを見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。
一つの見方として、国や公的機関の認定を受けているかどうかは、信頼性の面で大きなポイントになります。
例えば「認定経営革新等支援機関」というものが存在します。
これは国によって作られた、税務、金融、財務の専門知識や支援経験が一定レベル以上であることを認定する制度であり、もし悪いことをすると取り消しになります。
有名なコンサルティング会社や金融機関も取得しており、認定の有無を一つの判断材料にするとよいでしょう。
また中小企業診断士という、経営コンサルタントとして唯一の国家資格も存在します。
これは経済産業大臣によって登録される資格で、人によって支援経験や専門分野に差があるものの、経営全般の難関試験を突破しなくてはいけないため、少なくとも経営に関する知識を広く備えていることが判断できます。
ちなみに小規模企業白書の「支援機関」の定義にも、商工会・商工会議所やよろず支援拠点と並んで中小企業診断士が含まれており、中小企業の経営相談相手として位置づけられているのです。
登録者は中小企業庁のホームページで確認できますので、相談相手を選ぶ際の判断材料の一つにしてみてください。
【参考】国も「第三者による伴走支援が必要」と位置づけている

中小企業庁などが作成した「経営力再構築伴走支援ガイドライン」では、「経営資源の限られた中小企業・小規模事業者の経営者が、独力で自己変革に取り組むことは容易ではない」としています。
そのうえで「信頼できる第三者による伴走支援が必要となります」と明記されているのです。
また経済産業省も、中小企業が単独で自社の現状を分析し、強みを把握することはハードルが高いため、支援機関等と対話を行うことが重要だとしています。
2つの資料の要点をまとめると、次のとおりです。
| 資料(作成) | 小さな会社について述べていること | 示している考え方・ツール |
|---|---|---|
| 経営力再構築伴走支援ガイドライン (中小企業庁ほか・令和5年6月) | 経営資源の限られた中小企業・小規模事業者の経営者が、独力で自己変革に取り組むことは容易ではない | 「信頼できる第三者による伴走支援が必要となります」。経営者の状態に合わせて、課題解決型と課題設定型の支援を使い分ける |
| ローカルベンチマーク (経済産業省) | 中小企業が単独で自社の現状を分析し、強みの把握に取り組むことはハードルが高い | 「支援機関等と対話を行うことが重要」として、対話のためのツールを用意 |
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出典:中小企業庁ほか「経営力再構築伴走支援ガイドライン」(令和5年6月)/経済産業省「ローカルベンチマーク」(2026年版小規模企業白書 コラム2-1-1)
このように「小さな会社ほど外部の支援が必要」という認識は、国も持っていることがわかります。
これまで見てきたように、経営資源がどうしても不足する小さな会社が経営を続けていくには、外部の力を頼ることが必要です。
昔は「社内だけで何とかする」のが普通でしたが、外部環境の変化が激しく、経営課題が複雑になった現在は、考え方を改めなくてはいけません。
コンサルタントをはじめとした、外部支援者の力をうまく借りて経営改善できる会社へと、アップデートしていくことが求められているのです。
小さい会社の支援を得意とするエクト経営コンサルティング

ここまで長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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記事内で申し上げてきたとおり、小さな会社にこそコンサルタントが求められる時代です。
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